お餅などによる窒息事故
1. 窒息事故の発生しやすい時期は?
月別や曜日別に見ても、窒息事故は発生件数に差はなく年間を通して起きています。ただ餅による窒息事故だけは年末年始に集中しています。
2. 窒息事故を起こしやすい食べ物は?
・一番は餅ですが、餅の中でも、鏡餅のように硬いものより、つきたてやお雑煮のように軟らかい餅の方が窒息事故を起こしやすいようです。
・次いで肉、ご飯、飴玉、その他の食品となっています。
・その他の食品のなかには、かまぼこ・ちくわ・パンなどの軟らかく弾力がありよくかまないと飲み込めない食品がおこしやすいようです。
・また、窒息事故は食べ物だけでなく、乳幼児の場合には、おもちゃの部品・ビンのふた・硬貨などによる事故が多く発生しています。
3. どんな人におきやすいか
・年齢別にみると、0〜5歳ぐらいまでの乳幼児、50歳以上、特に70歳以上のお年寄りが全体の半分を占めるぐらい多く発生しています。
・0〜5歳ぐらいまでの乳幼児は、食べ物よりおもちゃの部品・ビンなどのふた・硬貨などによることが多く、高齢者では食べ物によるものがほとんどです。
4. 窒息事故の予防法
1)ふだんからの注意
食品による窒息事故は、喉をうるおさずあわてて食べることやかむ力が低下していること
が原因しています。食べる時には優雅にゆっくり、落ち着いて、まずは飲み物からを心がけましょう。
また、よくかめるよう、歯科医を受診して治療しておきましょう。
2)食形態の注意
高齢者や幼児では、のどに詰まりやすい食べ物はできるだけ避ける、あらかじめ小さく切っておく、必ず誰かがそばについていて介添えするなどを心がけましょう。
3)食べる直前の注意
食事に集中できるような環境にしましょう。
食べる前には、のどをうるおしてから、ゆったりと落ち着いて食事をしましょう。
幼児や高齢者の場合は、必ず誰かが付き添いましょう。
5. 窒息のサインは?
空気の流通がまったくなく気道が完全閉塞した窒息と、完全に閉塞されていない場合があります。
完全に閉塞されていない場合は、空気の流通がわずかでもあるため、苦痛の表情としぐさのほか
「うー」とか「あー」といった声を発するので周囲の人がすぐわかりますが、完全閉塞の場合は、
周囲の人が、苦痛の表情と青ざめた顔色、そして窒息した人に共通な「手をのど元や胸元に持って
いく」というしぐさを見逃さないことが重要です。
苦痛な表情と「手をのど元や胸元に持っていく」というしぐさは、窒息によって意識がなくなると
消失してしまいます。
6. 窒息が起きた時の対応
・物が詰まってしまった時の対応は、詰まった物を取り除くこと以外にはありません。
・その場に居合わせた人が、即座に事態を察知して対応するかしないかで、生死を左右するような
緊急の事態であることを認識して下さい。
・完全に閉塞していない場合には、もがき苦しむうちに完全閉塞に移行する危険性が高いので、まず本人に、落ち着いて暴れないように声をかけます。そして、口の中をのぞいて、詰まった物
が見える場合は、指でつまみ出したりかき出したりして下さい。指にハンカチなどの布切れを巻くとやりやすいです。それでもだめなら、前傾姿勢を取らせて、背中をトントンたたいてあげ
たり、静かに息を吸い込ませ、一気に吐き出させたりして下さい。
・完全に閉塞した場合は、指や箸などでつまみ出す、指やスプーンでかきだす、電気掃除機で吸い出すなど皆さんも聞いたり知っていたりすること以外でも、要は取り出せばいいわけです。
・方法は考えればいくらでもあると思いますが、器具を使う場合は口の中やのどを傷つけてしまうことがありますので、注意して下さい。
・器具を使わないでできる処置の方法を2つご紹介したいと思います。
1)背部叩打法
片手を患者のあごにあてて顔を上向きにさせ、もう片方の手で背中の左右の肩甲骨
の間を、下から上に向かって力強く3〜4回たたく方法です。
自分の手が痛くてしびれるくらいにたたくのがコツです。
それでも取れなかったら・・・
2)ハイムリック
患者の背中から抱きつく法ように、患者の両腕の下から両手を前にまわし、一方の手
の握りこぶしをもう一方の手で包み込む体勢を取ります。
そして、
握りこぶしを患者の胃のあたりをえぐり込むように圧迫する、両腕は患者の胸全体を締め上げるように絞り込む、
両腕で患者を上に持ち上げる
という3つの動作を、気合いを入れて瞬時に同時に3〜4回行う方法です。
・それでもダメなら救急車を呼ぶことです。
救急車を呼んでから応急処置をするのではなく、理想的なのは、応急処置をしながら別の人が救急車を呼ぶという事です。
一人しかいない場合は、救急処置を優先して下さい。
(東京消防庁資料より改変)
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