インフルエンザに備えましょう (看護部)
例年よりも早いインフルエンザの流行が各地で報告され、県内でもすでに学級閉鎖が発生しています。今回インフルエンザの知識を深め、正しい予防方法の実践ができるように11月30日の医療講演でお話しをさせていただきました
インフルエンザウィルスは、水鳥・渡り鳥が保有し、長い年月をかけて共存してきたと言われています。動物の間で変異(型を変えながら)を繰り返し、人に感染しやすいウイルスとなりました。
「パンデミック」という言葉を新型コロナウィルス感染症の流行時に耳にしたことがある方も多いと思います。感染が世界的に大流行することを表す言葉ですが、インフルエンザのパンデミックというのは1800年代頃からあったと言われています。
みなさん「スペイン風邪」という言葉を聞いたことがありませんか?
このスペイン風邪は実は、インフルエンザでした。流行当時は病原体が解明できませんでしたが、のちに現代のA型インフルエンザだと判明しています。1968年には「香港風邪」が流行、そして現在も変異を繰り返しながら、季節性インフルエンザとして世界で猛威を振るっています。
インフルエンザは咳や鼻水を介する飛沫感染によって感染し、悪寒戦慄、急激な高熱とともに発症します。同時に、筋肉痛や咳、鼻水などの上気道の症状が現れることがあります。発熱期間は3〜5日ほどであることが多く、38度以上の高熱が持続した後に解熱傾向に向かいます。
インフルエンザの治療薬には、内服薬、吸入薬、点滴薬があります。重症度や患者さんの持病を考慮しながら決定されます。そのため自己判断をせず、医師の指示に従った内服をする必要があります。
また、発症前に約1〜2日程度の短い潜伏期間(個人差があり、 1~4日の場合も)があります。そのため、潜伏期間に受診しても、インフルエンザの検査を受けるのが早すぎてしまうと、ウイルス量が少ないために陽性反応が出ないこともあります。症状が現れて12時間〜48時間以内経過してから検査を受けることが望ましいとされています。最近は発熱など症状がある場合、事前連絡が必要な医療機関がほとんどです。受診する際は事前に医療機関に連絡を行い、案内にしたがってください。
また、日頃の予防として、室内の換気、加湿、外出後の手洗い、十分な休養とバランスの散れた食事を心がけましょう。また、インフルエンザの流行時には、特に御高齢の方や基礎疾患のある方、妊婦、体調の悪い方、睡眠不足の方は、人混みや繁華街への外出を控えることが望ましいです。やむを得ず外出して人混みに入る可能性がある場合には、ある程度、飛沫感染等を防ぐことができる不織布マスクを着用することは一つの防御策と考えられます。
みなさん、元気にこの冬を乗り切っていただきたいと思います
2025年11月14日
看護部 木建 ひとみ