新年のご挨拶  

明けましておめでとうございます。

整形外科部長の油井充です。

本来は4月のブログを書こうと考えていましたが、最近手術を受けられた患者さんから「ブログ、楽しみにしています。ぜひ書いてください」と声をかけていただき、大変うれしく思いました。そこで今回は、新年のご挨拶も兼ねて、少し早めに書かせていただくことにしました。

 さて、ここ最近の当院の大きな変化として、2024年12月に経営母体が徳洲会に変わったことが挙げられます。特にこの半年ほどで、患者さんにとって分かりやすい変化が少しずつ形になってきたと感じています。

患者さんの目線で見ていただくと、

・病院の外壁がきれいになった

・外来でのお呼び出しが、名前ではなく番号表示になり、電光掲示板が導入された

・クレジットカードでのお支払いが可能になった

といった点にお気づきの方もいらっしゃると思います。

また、大雨の際に冠水してしまうことがあった駐車場についても、現在、嵩上げ工事を行っております。完成は3月末を予定しており、これにより冠水しにくくなる見込みです。

その中でも、整形外科として特に大きな変化だと考えているのが、MRIが院内に導入されたことです。MRIは、レントゲンでは分かりにくい背骨や神経の状態まで詳しく調べることができる検査です。これまで当院にはMRIがなかったため、必要な患者さんには他の医療機関まで足を運んでいただく必要があり、ご負担をおかけしてきました。私自身、長年待ち望んでいた設備でもあります。今後は、必要と判断した患者さんには、よりスムーズにMRI検査をお勧めできるようになります。特に、ご高齢の方の突然の腰痛については、積極的にMRIを検討したいと考えています。

その理由の一つとして、以前読んだ論文で「70代以上の方の急な腰痛では、圧迫骨折が原因となっているケースが非常に多い」と報告されていたことがあります。実際の外来診療でも、「ぎっくり腰だと思っていたら、背骨の骨折だった」というケースは決して珍しくありません。特に女性の方は骨粗鬆症の影響で圧迫骨折を起こしやすく、また男性では喫煙歴のある方に多い印象があります。ここで大切なのが、レントゲンとMRIの違いです。

レントゲンでは、昔に起きた圧迫骨折と、今まさに起きている圧迫骨折を区別することが難しい場合があります。一方、MRIでは「今起きている骨折かどうか」を判断することができ、早期診断につながります。

圧迫骨折は、

・つぶれが進みやすいもの

・比較的安定しているもの

に分かれることがあり、つぶれが強くなると背中が曲がったり、神経を圧迫して痛みやしびれが出たりすることもあります。

MRIでは、今後どの程度つぶれが進みそうかを大まかに予測することも可能です。 このような理由から、高齢の方の急な腰痛、特に女性や喫煙歴のある男性の方については、早めにMRIで調べることが大切だと私は考えています。さらに、MRIの結果から「今後、つぶれが進みやすそう」と判断される患者さんについては、腰痛が出てから3週間以内の早い段階で手術をお勧めすることがあります。

当院で行っている圧迫骨折の手術は、

**5mmほどの小さな傷を2か所あけて行う、全身麻酔下でのカテーテル治療(経皮的椎体形成術)**が中心です。体への負担が比較的少ない治療法で、早期の痛みの軽減や、背骨のつぶれの進行を抑えることを目的としています。もちろん、手術をお勧めする際には、手術を受けた場合のメリットとデメリットを丁寧にご説明したうえで、最終的な判断は患者さんご本人にしていただいています。実際には、「もう高齢なので、できるだけ手術は受けたくない」とお考えになる方もいらっしゃいますし、「この先、腰が曲がって痛みが続くのは避けたいので手術を受けたい」と希望される方もいらっしゃいます。どちらが正しいということはなく、患者さんそれぞれの考え方や生活背景を大切にしながら、一緒に治療方針を考えていくことが重要だと考えています。

これまでも必要な方にはMRIをお勧めしてきましたが、検査のために遠方の医療機関へ行く必要があり、「少し様子を見ます」と言われることも少なくありませんでした。今後は、院内でMRI検査ができることで、こうした負担を減らせると期待しています。また、当院のMRIは、近隣のクリニックやかかりつけ医の先生からのご紹介による検査にも対応しています。そのため、当院の患者さんだけでなく、地域全体の医療にも少しでも貢献できればと考えています。

 少し長い文章になってしまいましたが、最後までお読みいただきありがとうございました。整形外科専門医以上の知識も一部ご紹介しております。つまり、あなたも圧迫骨折の名医です。今回の内容が、ご自身やご家族、ご友人の健康を考えるきっかけになれば幸いです。

今年もどうぞよろしくお願いいたします。

整形外科部長 油井 充

 

過去の投稿はこちら➡ 

①ブログ『身体への負担の少ない脊椎内視鏡手術』

②ブログ『整形外科について』

③ブログ『当院の整形外科と仕事の変化について』

なります。