新型コロナウイルスワクチンの副反応(アナフィラキシーショック)と効果

新型コロナウイルスワクチンの副反応には、注射部位の痛み・腫れなどの局所反応と、発熱・頭痛・倦怠感などの全身反応とがあります。全身反応のうち、注射後早期に生じるアナフィラキシーショックが最も重要かつ重篤な病態です。アレルギー反応と考えてよいと思います。
以前は約10万回に1回起こるとされていました(2021/1/21ブログ参照)。
アメリカ医師会誌(JAMA)の最新号(23021/2/13)に、1700万回以上の接種でのアナフィラキシーショックについて詳細な報告がされていました(表参照)。以前(2021/1/21ブログ)に紹介した全米ワクチン有害事象報告システム(VAERS)のデータを使用しています。

英語の表の概要を日本語に訳してみます。
2020/12/14〜2021/1/18の約1ヶ月間にアメリカで新型コロナウイルスワクチンを受けた約1700万回のデータです(ファイザー社ワクチン994万回余り、モデルナ社ワクチンが約758万回余り)。
アナフィラキシーショックに限って調査しています。
合計1700万回余りの接種でアナフィラキシーは66例に生じました。ファイザー社製で47例、モデルナ社製で19例でした。100万回あたりの発生数はファイザー社製4.7例、モデルナ社製2.5例となります。従来言われていた10万に1回よりは少なく、20万に1回程度でした。
年齢でみると、ともに63歳以下に発生し、とくに30歳以下が全体の80%前後
を占めています。なかでも15歳以下の割合が圧倒的に多く、ファイザー社製では76%、モデルナ社製では84%でした。
特筆すべきは、アナフィラキシーは女性がほとんどだったことです(ファイザー社製では74%、モデルナ社製100%)。つまり、アナフィラキシーショックはほとんどが30歳以下、しかも女性だったと言えます。アメリカでも多くの高齢者がワクチン接種を受けたと思われますが、64歳以上にアナフィラキシーはありませんでした。
集中治療室での管理を要したのが66例中18例、うち7例は気管内挿管が実施されました。この7例では接種後1-45分後(中央値6分後、1例以外は11分以内)にアナフィラキシーを発症していました。7例全例にアドレナリン注射、6例にステロイド、5例に抗ヒスタミン薬が投与されました。入院期間は1-3日、死亡はゼロでした。
ちなみに日本の年間交通事故死は3000人程度、4万人に1人が交通事故で亡くなっています。交通事故との比較は必ずしも適切ではありませんが、ワクチンはかなり安全だと言えます。
もちろん海外データを直ちに日本に当てはまえるのは慎重でなければなりません。それでも、日本での新型コロナワクチン接種を考える上で大変参考になるデータです。

なおイギリスの科学雑誌Natureによれば、ワクチン接種が世界最速で進んでいるイスラエルでは接種率の高い高齢者ほど感染率の急激な減少が見られてきたとのことです(図1参照)。

新型コロナウイルスワクチンの長期間にわたる副反応は、当然、未知です。しかし、mRNAの基礎医学的な理解からすれば、長期の安全性は疑いのないところです。日本の感染症の専門家グループも新型コロナウイルスワクチン接種を積極的に勧めています(図2参照)。