昨日の朝日新聞に載った投書です(図1)。
新聞記事には著作権があります。本来であれば投書した人と新聞社の許可を得る必要があります。処分は覚悟で問いかけたいと思います。

皆さんは、この記事を読んでどう思いますか。
キーワードを挙げると、ダウン症、国際結婚、離婚、親権、大道芸人、死の告知、里親、国境、愛情、実名投書、だろうと思います。どれひとつをとっても、意味のある言葉、重い事実です。
個人的に一番知りたいのは、ではなぜ離婚したのだろうか、です。でも、人生のなかでの出来事です。理屈ではないと思います。それが人生なのだと思います。

もうひとつ、個人的に注目するのはダウン症です。
新出生前診断(NIPT;母体の血液を採取して胎児の染色体異常の有無を検出する診断法)が日本で公認されたのが6年前の2013年4月でした。当初はカウンセリング体制の整った約30の登録病院に限られていました。その病院の集まり「NIPTコンソーシアム」が開始1年後のデータを公表しています(図2)。
それによると、高齢妊婦を中心に7740人がNIPTを利用しました。そのうち「陽性」と判断されたのは142人でした。うち羊水検査などの確定診断受けたのは126人でした(NIPTは絶対的に正しいわけでないので羊水検査などで最終確認をする必要があります)。残りの16人がどうしたかは明らかではありませんが、16人中2人は確定診断を受ける前に中絶していました。確定診断を受けた126人中異常ありは113人でした。異常なしは13人でした。異常ありの確定診断を受けた113人のうちダウン症が確定したのは6割の69人でした。113人中110人が中絶を選びました。3人は異常を知っても中絶をしなかったということだと思います。
こうした数字は何を意味しているでしょうか。

いろいろな思いが交錯します。ひとつ言えるのは、染色体異常だと分かっても命を育てた人がいるということです。

図1.朝日新聞2019年7月9日

図2.日本経済新聞2014年6月28日