オーニング(日除け)

しばらくブログを休みました。理由は2つ。
1つは重症患者を多く受け持っていたためです。重症肺炎、重症心不全、心筋梗塞、DIC、ショック、腎不全、消化管出血、悪性腫瘍。これらの複合に加えて認知症の合併。夜遅くまで病棟にいました。昼間は月曜から土曜まで外来に縛られていました。外来は再診だけでなく、新患、新入院、救急、ときに今でもコロナの入院要請。病棟では、処方、指示、面談、診療情報提供、退院サマリー。これだけなら、ちょっとした書き物をするのは今までなら可能でした。
ブログが書けなかったもう1つの、そして最大の理由は腰痛に見舞われたことです。1年ぶりです(2021/6/21ブログ参照)。痛みがあると、上述の業務のペースは落ちます。帰宅してもひたすら横になる時間が多くなりました。日曜日もほとんど寝ていました。
腰痛の原因は今回明らかです。マンションのベランダのオーニング(日除け)を交換したからです。

我が家の居間は東に面しています。このマンションに引っ越した直後の初夏、陽の光の強さに驚きました。好天なのに厚いカーテンを閉めるという理不尽に反発し、管理組合の許可を得てオーニングを設置しました。
マンションのベランダにオーニングを設置するのは簡単な話ではありません。グーグルで検索しても具体的な方法についての適切なアドバイスは見つかりませんでした。

3年前の初夏、自己流でともかく設置しました。しかし、まもなく、風が強いと布は大きく煽(あお)られ、全体が階下のベランダに落ちて平謝りする事件がありました。こうした失敗を経験すること1ヵ月、ほぼ安定した形になりました。台風が来ると分かっても外さずに済むようになりました。その場合、布が留め具から外れるのはやむを得ません。早めに外れたほうが被害は最小になります。もちろん、外れても対応できる工夫をするのです。留め具自体が外れてどこかに飛んでいってしまったこともありました。留め具は2つのパーツから成っています。パーツはひとつでも失くなると使い物になりません。留め具紛失防止の工夫も考えました。

2年目からほぼ安定的にオーニングを使えるようになりました。晩秋には外し、布とロープは袋に保管しておきます。翌年ゴールデンウィークが始まると間もなくオーニングを設置します。

今年は5月3日に設置しました。いくつものノウハウがあり、ロープをピンと固定するコツもあります。
6月初めに異変がありました。埼玉県東部から千葉県に雹(ひょう)の嵐が襲った時です。夕方、妻からメールがありました。オーニングが留め具もろとも外れた、という内容でした。
夜、帰宅すると確かに留め具とともに外れていました。しかし留め具は安全紐に結ばれ、バラけることなく想定の場所に残っていました。外れた留め具をサッシにあらためて取り付け、布を留め具に嵌め、簡単に修復できました。しかし、何か変です。
何と、布が裂けていたのです。

オーニングの布の保証期間は1年。そもそも強風時に使用して破損した場合は補償の対象になりません。3年使ったのだから、とすぐ諦めました。布の値段は3千円少々です。新しく購入しました。今度はオリーブ色にしました(以前のはベージュ)。ネットで注文し翌々日の日曜日に届きました。
私の唯一の休みである日曜日。昼近くまで寝て、午後からオーニングの張り替えにかかりました。ロープも新しく購入しておきました。
気持ちのよい真っ白なロープを次々と張っていきました。慣れたものです。

我が家のベランダには、今の季節、多くの鉢に花が咲いています。若い枝も伸びています。鉢を片付けようか、という妻の声掛けに、大丈夫だよと言って体を捻り、軽やかに身をこなしながら作業を続けました。
およそ1時間半で全てが終わり、新しいオーニングが完成しました。
めでたし、でした。

翌朝、腰痛で目が覚めました。
あとは推して知るべし。後悔後に立たず。
湿布と鎮痛薬で1週間ひたすら耐えてきました。
ようやく軽快し、今こうしてブログを書いています。

ペインフリー(痛みなし)は仕事に趣味に必須の要件です。質も保ってくれます。痛みがあると、CTの画像をじっと読むのが苦痛になります。気になる患者がいても、進んで診にいこうとする意欲が削がれます。それはまずい話です。仕事優先を第一にしました。それでブログをしばらく休んだ、というお粗末な話です。