私の前任地、茨城県立中央病院では毎年夏に小学生とその保護者を院内に招いて、医療のことを学んでもらっています。名付けて「キッズくらぶ・イン・ホスピタル」。今年で13回目となりました。
毎回、企画と運営は卒業1年目の初期臨床研修医が中心となって行っています。初期臨床研修医は医師とは言え、駆け出しです。一般の人の気持ちがまだ残っています。医師と一般の人との橋渡しに適任のはずです。

私が赴任した2007年に初めて開催しました。目的は「医療をもっと身近に!」です。医療をよくしようと思って医師や看護師、薬剤師、技師などの医療者の教育にずいぶん関わってきましたが、それだけでは不十分だと感じました。医療を受ける側の教育も大切ではないかと思いました。そうであれば、小さい頃から医療を身近なものとして知っておくのがよいと考えました。
病気のことを考えていくと、命の大切さに思い至るはずです。他人の病気にも思いは広がるように思います。医療者と一緒になって医療に参加する「参療」にもなります。それが回り回って医療の向上に繋がるというわけです。子どもに付き添う保護者への教育になることも狙っています。

今年のポスターを見れば、およそどんなことが行われているか分かると思います。加えて、今年は「ダビンチ」という手術ロボットが登場しました。手術室で、ダビンチを使ったゲームに小学生が挑んでいました。写真の女の子は初めてのはずなのに、ダビンチを上手に操ってあっという間に満点に近いスコアをあげました。ロボット手術も身近に感じたはずです。若い研修医の企画力に感心しました。

6年前のキッズくらぶ・イン・ホスピタル 2013がYouTubeにアップされています。参考にご覧ください。
https://www.youtube.com/watch?v=GpYB1PQYhbE