先日(7月10日)の続きです。

2012年に放映されたNHKスペシャル「出生前診断〜その時夫婦は」は思い出に残る番組です。
当時の出生前診断は、超音波を使って胎児の異常を探ってから羊水検査をしていました。前回述べた採血で行う新出生前診断(NIPT)については、「今アメリカでは」、「日本でまもなく導入される」として番組の中で紹介されています。
ともかく考えさせられました。録画して、茨城の看護学校の講義に使っていました。毎年、学生に見せました。正解はありません。正解がない、ということを教えるのも教育だと思って、見せ続けました。
この番組は今でもYouTubeで見られます(14分ずつ4回に分けられています)。

動画1 動画2 動画3 動画4

ぜひ視聴してください。
こんな場面が映し出されます。
医師:「ダウン症の確率は低いです。」
妊婦:「ああ、良かった。」
考えさせられます。

日本ダウン症協会のウェブサイトを一度みてください(図1)。
ダウン症は21トリソミーという染色体の病気です。21番目の染色体が通常の1対2本ではなく3本ある病気です。
ダウン症の人たちと一緒に海外旅行に行ったことがあります。明るい人たちでした。3本の染色体が浮かぶ医師としての自分に対し、複雑な思いを持ちました。

ダウン症以外にも染色体の病気はあります。例えば、18番目の染色体が3本あるのが18トリソミーです。比較的早い年齢で亡くなることの多い病気です。その子どもたちの姿を収めた写真集がネットファンディングで発刊されたことがあります(図2)。送られてきた分厚い写真集のページをめくるたびに、ひとりひとりの親の思いと、ひとつひとつの命の愛おしさを感じます。

性染色体という特殊な染色体の病気もあります。性染色体Xが2つあるのが通常の女性XXです。Xと別の性染色体Yが1つずつあるのが通常の男性XYです。Xが1つしかない人がいます。XOと記載されます。ターナー症候群と呼ばれます。アメリカのターナー症候群協会(TSSUS)のサイトをみてください(図3)。
XOの人は、見たところ普通の女性と何ら変わりはありません。小柄であるとか、体のちょっとした特徴があるのは確かですが、みな魅力的な女性です。笑顔が並びます。性染色体の病気ですので妊娠・出産は難しいといわれます。「だからどうだというの?」そんな思いにさせてくれます。

(図1)

(図2)

(図3)