先日、地方都市の郊外にある医療法人の経理状況を見せていただく機会がありました。
急性期、回復期、療養、地域包括ケアの病床を持つ病院です。健診にも熱心に取り組んでおり、また老健もありますので、当院ないし当医療法人によく似た機能と規模を持つ病院です。
複数の医科大学との関連が深いこと、ある疾患の診療で県指定を受けていること、理事長・院長ともに人間的に優れていること、などを考えると、昨年度の当院よりもはるかに恵まれていたはずです。
その決算はどうだったのか。

具体的な数字は言えませんが、収支は厳しかったと言わざるを得ません。老健は黒字でしたが、病院の赤字幅が大きく、法人としてはマイナスでした。しかも想定以上の大きさでした。主因は人口減だとの分析でした。
小〜中規模の病院の苦境を見た思いです。
当然、人ごとではありません。

当院の経営状況は現在、管財人による債務整理の最中で、私のところに毎月の収支の正確なデータが上がってきません。
いずれ新しい法人として再出発します。そのときは、正確な資料が出てくるはずです。厳しい数字が並ぶかもしれません。次期経営者とともに対応を考えていきますが、当院の「売り」である急性期とリハビリテーションのさらなる充実、質の高い医療の一層の推進が鍵だと思います。人口減の問題は当地にはありません。
であれば、患者と地域に寄り添う医療、職員のモチベーションを下げない取り組みを実践さえすれば、経営は落ち着くだろうと私は考えています。