早食い・早飲み競争は絶対にやめましょう

早食いは絶対によくありません。消化器への負担が増えるばかりではありません。命に関わるさまざまな危険を伴います。
なぜ、早食い、早飲みの競争が行われるのでしょうか。観光イベントの一環として行われることが多いようです。自治体が主催・後援することも少なくありません。

早食い競争で窒息死の事例が少なからずみられます。
アメリカではホットドッグやタコス早食い大会で死亡例が出ています。日本でも、おにぎりの早食いで窒息死した男性の家族が主催者(公的団体)を訴えたというニュースが最近流れました。リンゴの産地ではリンゴの早食い、牛乳の産地では牛乳の早飲みもよく行われています。コロッケが名物となっている某市ではコロッケ早食い競争が定番として報道されます。ニュースとして取り上げるマスコミもいけません。死亡例が出ると放送・報道を自粛する動きがありますが、すぐに復活するようです。

日本の健診データを用いた研究が福島県立医科大学のグループから先ごろ発表されました(Scientific Reports(2019) 9:8210 | https://doi.org/10.1038/s41598-019-44477-9)。食事を早く食べる人は糖尿病になりやすいという結論でした。早食い競争などもっての外だということです。なおこの研究では、毎日の飲酒が糖尿病の発生を「かなり」抑えることも示しました(図参照)。もちろん、毎日の飲酒が糖尿病の予防には良いらしいとなっても、からだ全体に良い、ましてや寿命を延ばす、とは言っていませんので誤解のないように。