昨夜、さいたま市は激しい雷雨に見舞われ、午後7時すぎ停電が発生しました。
病棟でサマリーを書いているとき、瞬間停電(瞬停)が起き、電子カルテの画面は瞬時に真っ暗となりました。次の瞬間に復電しましたので、病棟に混乱はありませんでした。しかし、外は稲妻が走り、本降りの雨となっていました。
本格的に停電したとき非常用自家発電装置はうまく動くかが気になりました。大丈夫だと思いつつ、この病院に来て初めての経験ですので、不安がないわけではありませんでした。
電子カルテを再起動してみると、書きかけのサマリーはもちろん消えていました。幸い、その前にオーダーした処方箋の記録は残っていました。電子カルテのサーバーは無停電電源につながっていることが確認できました。

10分後、再び停電となりました。今度は瞬停ではありません。1分、2分、3分待っても復電しませんでした。病棟の非常灯は停電と同時に点きました。別の電気系統は一瞬の遅れののち灯りました。非常用自家発電装置がうまく作動した証拠です。まずは一安心です。ノートパソコンで電子カルテを動かすと正常に作動していました。サーバーは無事だということです。テレビカード販売機は警報音が鳴り放しになりましたが、ベテラン看護師と一緒に合鍵を刺して止めました。災害対応でこの処置は慣れていました。
PHSは繋がらず、ベテラン看護師の指示で病棟内と院内のチェックに若いスタッフが走り回りました。施設課の職員が見回りにきました。他の部署も大きな混乱がないとのことでした。
蛇口に触れずに水のオン・オフができるセンサー付き水道は、停電の場合、何の役にも立ちません。トイレのセンサーも同様です。オール電化は考えものです。などと考えているうち、10分後に電気が戻りました。ほっとしました。

今朝の朝日新聞に「病院停電 患者ら転々」という記事が載っていました。台風15号の影響で千葉県ではなお50万戸の停電が続き、病院も対応に苦慮しているという内容でした。
8年前の東日本大震災でも感じましたが、日本の病院はいろいろな意味で余裕がありません。ぶっつけ本番での対応にならざるを得ません。であれば、ときどきこうした騒ぎがあるのが却ってよいのかもしれません。「患者の安全を脅かすことなく」が大前提にはなりますが。