自分の生活で気をつけていることは何ですか

中学校での医療教育で受けた質問です(2023/2/4ブログ参照)。
関連した質問として「医師は、激務というイメージがあります。睡眠時間などは短いですか。また、体調管理のために行っていることは何かありますか」がありました。

正直に答えました。
生活で気をつけていることは、睡眠・ストレッチ・食事・血糖・運動・旅行です。健診(検診)を受けること、自分の病気は自分で診ないことも心がけています。

睡眠は短いと言わざるを得ません。睡眠時間はスマートウォッチで毎日測っています。スマートウォッチは高級なA社のものではなく、6千円の中国製です。体温・血圧・心拍数・呼吸数・酸素飽和度・心電図・睡眠時間が記録できることになっています。血圧・酸素飽和度がなぜ測れるのか疑問であり、その数値を信じるわけにはいきません。しかし睡眠時間は正確です。
私は平日、早番(早朝出勤)や県外への診療支援の日以外、朝6:30に目覚ましで起きます。私のスマートウォッチは06:30に起床したと正確に記録します。夜中にトイレに起きることが時々あります。翌朝チェックしてみると、トイレに行った時刻(がわかります、再就眠まで例えば13分間だったと教えてくれます。
2023年1月1日から1月31日までの睡眠時間を生徒にみせました。平均すると5~6時間でした。正月三が日は最長の睡眠でした。特に1月1日は大晦日の紅白歌合戦をほとんど見ずに寝たため9時間16分という長さでした。1月4日の仕事始めからいつもの睡眠ペースに戻りました。1月29日は3時間22分という短さでした(図の赤丸)。前日の28日(土曜日)から徹夜して29日(日曜日)の朝を迎えたからです。何をしていたかというと、その週の2月1日(水曜日)に行われる中学校での医療教育の準備をしていたのです。中学生からの23の質問への回答を作成していました。つらかったわけではありません。自分の今までの人生を振り返るよい機会でした。夜が明けるまで楽しい時間を過ごさせてもらいました。

ストレッチは自分にとって必要な所作です。仕事では前屈みになることが多いため、姿勢を正すのにストレッチは欠かせません。緊張をほぐすにはストレッチがいいですよ、と患者さんに勧めています。短時間にできる息抜きです。

食事はバランスよく、カロリーに過不足のないよう心がけています。自分自身の耐糖能異常に気付いてから1食600kcal、うち炭水化物カロリー比40%(=
240kcal=60g) として血糖値に注意を払ってきました。

血糖はメディセーフフィット®︎(テルモ)やFree Styleリブレ®︎(アボット)で記録しています。最近の血糖値の推移を生徒に見せました。その中学校で使っている保健体育の教科書には、朝ごはんを食べたときと食べなかったときの血糖値の違いを示すグラフが載っています。そのグラフと私の血糖のグラフ(1月中旬〜下旬)とを対比し、やはり朝ごはんは食べようね、と伝えました。

運動はすべての病気の予防になります。がん死亡もそれ以外の死亡も運動によって下がること(日本の研究)、がんになっても運動で進行を遅らせること(マウスの実験)を示しました。私自身も運動を心がけるようにしていることを伝えました。ただしジムに行っているわけではありません。病院ではエレベータを使わない、階段で上り下りをする、駅でも階段を使う、と話しました。運動量のひとつの目安は歩数です。5年前から毎日記録しています。コロナ・パンデミックになった最初の2年間は歩数の減少がありましたが、最近再び増加に転じました。それでも決して多いものではなく、1日1万歩を目指すよう努力しています。
体重も5年前から毎日記録しています。もともと痩せ型でbody mass index(身長(m)/体重(kg)/体重(kg))は40歳以降18と低いものでした(22が基準値)。せめてBMI 20すなわち体重56kgになるよう頑張っています。

旅行は運動と気分転換を兼ねて時間の許す限り実行するようにしています。昨年は念願の立山アルペンルートと黒部ダムを訪れました。

健康診断・がん検診は私自身が長年、茨城県で旗振り役を担ってきました。自分でも必ず受けることにしています。自分の病院内で手軽に済ますことが多いのですが、ときに一般の人に混じって(医師の身分を明かさず)集団検診会場で受診することもあります。じっと待つ時間の体験、受付や技師の対応、医師の説明の観察など、参考になることがたくさんあります。

私には30歳から40年以上続く気管支喘息の持病があります。今でも内服と吸入が毎日欠かせません。自己診断・自己治療に走っていた時期もありましたが、この20数年間は必ず主治医を置いて定期受診を心がけています。自分の病気は自分で診ないことが大切だと考えるようになったからです。採血指示にも素直に従っています。最近、耐糖能異常の是正のために内服を始めました。体重の目標(56kg)を達成したい、炭水化物のカロリー比を40%からできれば60%にあげたいと思ったからです。専門医の診察を定期的に受けています。カルテには糖尿病の病名がつきました。

以上のように、食事・血糖・運動・体重のデータを日々採取し、旅行を楽しみ、健診(検診)を受け、持病の定期受診を欠かさず、体調管理を行なっています。
中学生のみなさん、分かってもらえたかな。